フルートの上達に欠かせないのがブレスコントロールと腹式呼吸です。息継ぎの基本を押さえることで、美しく安定し音色が出せるようになります。
今回は、初心者の方向けにフルートのブレスコントロールの仕方と上達するための練習方法について解説します。
フルートのブレス(息継ぎ)について
フルートは息を吐いて音を出す楽器なので、息が切れたらブレスを取る必要があります。
間違ったブレスをしていると、次のような問題が生じてきます。
- 長いフレーズ(長い小節)を吹くことができない。
- 頻繁にブレスを取らなければならなくなるので、曲全体がぶつぶつ切れたような演奏になる。
良いブレスを取るために、必要な知識と練習方法について次に述べていきます。
腹式呼吸を覚える
良いブレスに欠かせないのが腹式呼吸です。腹式呼吸とは、胸郭をなるべく動かさないように行う呼吸のことを言います。
腹式呼吸は楽器奏法で大切な呼吸法です。フルートを演奏するにあたり、正しい腹式呼吸を学ばなければなりません。
腹式呼吸を覚えることで、普段の呼吸(胸式呼吸)に比べ次のメリットがあります。
- ブレスが適確に取れるようになる
- 息が続きやすくなる
- 音程・リズムを安定して吹けるようになる
腹式呼吸は、訓練を重ねれば誰でも使えるようになります。次の練習法を参考にぜひマスターして下さい。
腹式呼吸の練習方法
- 大きく息を吸い込み、次に息をゆっくり吐き続けます。
- 息がなくなって吐く息がなくなる限界まで息を吐いて下さい。
- 息が全てなくなったら大きな口を開けます(鯉や金魚の水面呼吸のイメージで)
- 吸おうと意識しなくても人間の自然な反応で十分な空気が勝手に体の中に入ってきます。
- この行程を何度か繰り返し、息を吐き切ったとき口を開ければ自然と空気が身体に入ってくる感覚を覚えます。
ブレスは予めブレスを取ろうとしている箇所(フレーズの切れ目など)の前に、息を作戦通りに吐ききっておくことがより良いブレスを取るためのポイントとなります。
ブレスのコントロールの仕方
私の場合、1回のブレスで吸う息の量は曲のニュアンスや、ダイナミクス(音の大きさ)に合わせて、その都度微妙に変えています。
例えばff(フォルテッシモ)で演奏するときは、力強く鋭いブレスを、pp(ピアニッシモ)で演奏するときは、やわらかくゆったりしたブレスを取っています。
ブレスの時、力を入れてはいけないとよく言われますが、完全に脱力していてはしっかりブレスを取ることができません。
曲に合わせて一番適したブレスを取れるようにしましょう。
ブレスの練習方法
次の練習を繰り返し、テンポを変えてゆっくりのテンポと速いテンポ、どちらのテンポでもできるようにします。
- メトロノームを80に設定する。
- 16拍分吐いて、2拍分で息を吸う。
- この時、音の『入り』が遅れないこと。
- 音の『入り』から『終わり』までが安定した音であることを意識して行って下さい。
最後に一言
楽器奏法のうまさは7割は息だと言われるほど、ブレスは重要で、尚かつ難しい課題です。
良いブレスは良い呼吸法があってこそできることです。腹式呼吸をしっかりとマスターして、フルートで理想的なブレスが取れるよう練習を積んでいきましょう。
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